地域医療再生で交付金決定
伊那保健福祉事務所は1日、伊那中央病院、昭和伊南総合病院、辰野総合病院の機能分担と連携を進める地域医療再生計画について、厚生労働省が5年間で25億円を交付することを1月29日付けで正式決定したことを明らかにした。
地域医療再生計画は、上伊那の公立3病院が安定的に地域医療を担い続けていくため、将来的な経営統合を見据えた機能分担と連携により、上伊那医療圏を再生することなどを目標としている。
公立3病院の体制整備による機能再編後は、伊那中央病院が高度救急医療を、昭和伊南が急性期から回復期を、辰野病院が急性期から回復期、在宅医療を担う。
また救急医療充実のため公立3病院が構成員となり将来的な経営統合のあり方の検討などを行う「公立病院運営連携会議」が設置される。
ほかには、3次救命救急センターを担う病院を伊那中央病院とすることを検討し、「地域救急医療センター」の一部拡充と関連機器の整備など機能充実を図る。
また、内視鏡手術トレーニングセンター整備など医師確保のための仕組みづくりの研究、開業助産所などへの設備整備費補助など周産期医療体制の整備を図る。
上伊那広域連合では公立病院運営連携会議を3月頃に設立し、事務局を広域連合内に置くことにしている。
これら地域医療再生計画により上伊那地域の医療をこれまでの「病院完結型医療」から「地域完結型医療」へ転換を図りたいとしている。
国からの交付金は県の基金に積み立てられ、事業実施にあたり各病院へ配分されることになっていて、今後、連携会議で実施事業や予算配分が決定される予定。