信大と中部森林官局が人材育成で協定締結
南箕輪村の信州大学農学部と中部森林管理局は25日、日本アルプスなどの森林における生物多様性保全のための人材育成について協定を締結した。
信州大学農学部で調印式が行われ、信州大学の中村宗一郎農学部長と中部森林管理局の城土裕局長が協定書を取り交わした。
農学部と中部森林管理局は、森林資源の育成技術や管理手法などについて、以前から相互の協力関係があった。
しかし、研究室単位の個別の協力であったため、今後、より組織的に協力関係を築こうと、中部森林管理局が申し入れ、今回協定を締結した。
協定により▼日本アルプスなどの生物の多様性を保全するため、森林の保全や整備に必要な技術や知識を持った指導的な立場の人材を育成すること▼人材の技術や知識の向上を図るため、共同の調査・研究や情報交換を通じて学術的な振興を図ること竏窒レ的としている。
これまでの協力関係のなかでも、南アルプスのニホンジカの食害を防ぐための防護柵の設置など野生鳥獣との共存に向けた取り組みや、絶滅の恐れが高くなっている日本固有の樹木「ヒメバラモミ」を増殖する取り組みなどを共同で行っている。
今後も、こうした取り組みを継続するということだが、具体的な連携については今後、協議をしていくという。
なお、これまで中部森林管理局の森林管理署が研究機関と協定を結んだ例は1件あるが、管理局自体が研究機関と協定を結ぶのは今回が初となる。