中沢小炭焼き窯完成式
駒ケ根市の中沢小学校で同校PTAらが製作に取り組んできた新・炭焼き窯がこのほど完成し8日、完成式が現地で行われた。PTA、学校関係者ら約40人が出席して窯の無事完成を祝い、今後の安全運用を祈った。
PTA会長の竹村浩一さん(53)は「関係者の努力により、立派な窯が完成した。文化としての炭焼きがこの地域の子どもたちの心にさらに深く根付いていってほしい」とあいさつした。北原三千生校長が真新しい窯にお神酒をささげ、出席者全員で安全を祈願したのに続き、児童代表の竹村亮作君(6年)は「今までの窯は古くて倒れそうだったが、もうその心配もなくなってとてもうれしい。大切に使います」と感謝の言葉を述べた。
同小では中沢の伝統産業であり、文化でもある炭焼きを児童らに受け継いでいってほしい窶狽ニ92年に窯を設置し、総合的な学習の時間などを利用して毎年炭焼きを行ってきたが、数年前から天井が落ちるなど傷みが激しくなってきたため今年8月に取り壊し、新たな窯の製作を進めてきた。校庭の北の一角に造られた窯は小学校には珍しい本格的な造りで、内部の奥行き2メートル、最大幅1・6メートル、高さ1・5メートル。周囲は土と耐火レンガで固め、外壁にはヒノキの丸太を使った。事業費150万円は県のコモンズ支援金のほかPTA基金と市補助金でまかなった。
児童らが焼いた炭はPTAや市民らに販売して収益金を卒業記念品や図書「炭焼き文庫」の購入に充てているほか、国内で大きな災害があった際には被災地へ義援金として送るなどしている。