はら美術で加藤竹美さんの油絵展
見る人を圧倒する力強いタッチで、重厚感のある鮮やかな油彩を描く作家、加藤竹美さん(67)=東京都品川区=の個展が、13日から伊那市旭町のはら美術で開かれている。独特の世界観が表現された静物や風景、抽象画など56点が、訪れた人を魅了している。
伊那市にアトリエを持つ加藤さんが個展を開くのは6年ぶり。子育てを終えた40歳の時、武蔵野美術大学に入学。静物や風景など、具象を中心とした油彩を手がけ、新制作展など、数々の展覧会で入選してきた。
モチーフを越えた存在を表現する窶狽ニいう加藤さん。力強く描き込まれた独特の空間は、小さな枠でも迫力を失わず、静物や風景にも動きを感じさせる。また、表現する世界観は、モチーフを全く別の存在へと変える。
より広い世界の表現方法を求め、63歳の時に再度大学へ入学。2年間抽象画を学び、昨年卒業した。抽象画「INFINITY」は、その成果が生きた作品で、今年の女流画家協会展にも入選した。果てのない存在を感じさせる作品は、具象同様、加藤さん独自の世界へ、見る人を引き込む。