信州大学農学部 大谷 元教授 紫綬褒章受章
秋の褒章受章者 喜びの声
長年、様々な分野で貢献した人に贈られる秋の褒章。
信州大学農学部の大谷元教授は、学術などで顕著な実績を上げた人に贈られる紫綬褒章を受章しました。
信州大学では2人目、農学部では初の受賞者となります。
受章に対して大谷教授は、「本音を言うと、なぜ私が、(受章したのか)ですよ。叱られて叱られて育つタイプなんです。ここに来て褒めてやるといわれると驚いてしまって。」と笑顔を見せます。
大谷教授は、昭和24年生まれの60歳。畜産学を専門としていて、昭和47年に信州大学農学部を卒業、平成3年4月に、農学部の教授になりました。
現在は、信州大学の大学院農学研究科教授で、食料保健機能開発研究センター長を務めています。
大谷教授の功績の一つに、牛乳アレルギーの原因を明らかにし、牛乳タンパク質の処理法を解明したことが挙げられます。
これにより牛乳アレルギー予防の乳児用粉ミルクが商品化されました。
また、大谷教授は牛乳タンパク質からつくられる成分が免疫力を高めることや、牛乳に含まれる抗体が花粉症を軽減することなどを明らかにし、実用化に貢献しています。
今後について大谷教授は、次のように話しています。「次に取り組みたいと思っているのは『がん』なんです。がんに効果があるのではないかという可能性が、乳タンパクからみつかっています。がんは、機能性食品の分野をやっていれば、誰でも取り組んでみたい課題です。必ずしも結果が出せるとは限りませんが、乳タンパクから、がんに効果のある機能性をみつけたいと考えています。」