哲学者内山節さん講演
いななき学舎
哲学者内山節さんの講演会が28日、伊那市の創造館で開かれました。
講演会は、地域に根差した活字文化の振興を図ろうと活動している市民グループいななき学舎が開きました。
講師は、哲学者で立教大学大学院教授の内山節さんです。
市民およそ150人が、日本の自然思想についての講演を聞きました。
内山さんは、自然は自分を持たず自ずからのまま生きるため、清浄な精神を持っている、人間は自分を持っているからつまらない生き方をし、自分の魂をけがすというのが伝統的な考え方だったと話しました。
人は死んだ後、魂が森に帰り、自然の中でけがれが清浄化され自然と一体化すると考えられていたことも紹介しました。
内山さんは、「明治以降、日本の土着的な精神は破壊したが、今また多くの人が関心を持ち始めている。一度、昔の人々の生き方を振り返り、物事を考えることも必要」と話していました。