ヒナを待つけなげなセキレイの親鳥
暗闇の中親鳥を求めて鳴くセキレイのヒナたち。今月3日に卵からかえったばかりです。
このヒナが住んでいる巣は、トラックの中にあります。しかもそのトラックは、毎日動いています。
南箕輪村大芝にある伊那高原ミルクステーション。ここには、上伊那の酪農家が生産した新鮮な牛乳が、毎日、土日も休まず運ばれてきます。鳥が巣を作ったのは、その牛乳を運ぶトラックです。セキレイのヒナは、そのトラックとともに上伊那の酪農家を回っています。
そういえば、親鳥はどうしたのでしょうか・・・
ここで働きながらセキレイを見守っている、原雄一さん(60)。原さんは親鳥の事について次のように話します。
「トラックが戻ってくるまでここで待機していて、いち早くヒナのところへエサを運んでいく」竏・
原さんの説明によると、セキレイの親鳥は、トラックがステーションにある朝7時半までは、ヒナと一緒に巣の中で過ごしています。
しかし、トラックが出発する時、自分は残って、トラックと共に出かけたヒナの帰りを待つというのです。しかも、クチバシいっぱいにエサをためて。
親鳥について原さんは「本当にけなげ。今、世の中で親が子供を虐待する事が問題になっているが、このけなげな姿を見せてあげたい」と話します。
取材にいったこの日はちょうど雨で親鳥の姿は見つけられませんでしたが、トラックが牛乳の集荷を終え
トラックの運転手は「ヒナがおちちゃいけんでね」と、運転にも気をつけているといいます。
ヒナを乗せたトラックは、酪農家の元へと出発しました。
親鳥は、今日も、クチバシいっぱいにエサをためてヒナの帰りを待ちます。
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