恒久平和を 少年の塔慰霊祭
戦時中、満蒙開拓青少年義勇軍として満州に渡り、祖国の土を踏むことなく命を落とした青少年の霊を慰める「少年の塔慰霊祭」が24日、伊那市の伊那公園で行われました。
慰霊祭は上伊那教育会が毎年行っていて、この日は役員およそ30人が集まりました。
副会長の矢澤静二さんは、「負の遺産を決して風化させることなく、二度と過ちを繰り返さないよう永久平和を誓う」と追悼の言葉を述べました。
また、満蒙開拓青少年義勇軍の生存者の一人、伊那市西箕輪のきたはら北原かずお和夫さんは、「出発するときは、日本の国旗と、満州国の旗が掲げられ見送られた」と当時を振り返り、「終戦後は、飢えと寒さ、病気で犠牲者が続出した。祖国の地を踏むことができず、無念だったと思う」と話しました。
上伊那教育会によると、青少年義勇軍の上伊那出身者はおよそ800人で、このうち91人が命を落としたということです。
参列者は、少年の塔に花を手向け、平和への願いを新たにしていました。