現代の名工
熊谷木工所 熊谷次勇さん(71)
3日間にわたってお伝えしている現代の名工受賞者の喜びの声。2日目の今日は木製建具製造工の熊谷次勇さんです。
伊那市荒井で有限会社熊谷木工所を営む熊谷次勇さん71歳。
熊谷さんは、熊谷木工所の2代目。
中学卒業とともに、上伊那農業高校定時制に通いながら、建具職人だった父親に弟子入りしました。
熊谷さんが若い頃は父親の跡を継ぐのが当たりまえだったということで、この道に入って55年になります。
機械化による大量生産の時代になっても、手仕事にこだわり続ける職人として後進の育成にも力を入れてきました。
現代の名工に選ばれて・・・
熊谷「先輩とか後輩とか知人から大勢の皆さんの励ましといいますか、そういうことがあったからこそ。
そこに恩返しができたかなあと思っているんですけど。ご先祖様もその中に入りますけどね。ありがたいことです。本当に。」
仕事のモットーは・・・
熊谷「基本といいますかね。自分が一番先に教わったことを忠実に守ってやっていくことが一番モットーとしています。」
手仕事と加工品の違いは・・・
熊谷「建具は直角にねじれなくというのが大事。昔は手で組み立てて、今は機械でギューと押しつけてしまうということですのでね。やっぱり、ほぞあんばいと穴あんばいが、きちんとしてないと、幾年かたつと差が出てくるといいますかね。」
職人のプライド
熊谷「自分たちは職人ですのでね。いつまでも、おつきあいさせてもらえるということは、きちんと仕事を納めているということ。行ってもね、ああいいなあ、と自分でも自己満足はあります。」
若い人に伝えたいこと・・・
熊谷「自分はね、掃除のしっかりできない者は仕事もできないと、ずっと親から言われてね。その信念は今でも持っているんですけども。掃除がしっかりとできていると製品もいい製品に見えてくるんです。ゴタゴタした所で作った製品と、きちんとした所で出来た製品はね何が違うような気がします。」
今後について・・・
熊谷「できるだけ自分の覚えてきたことを若い人に教えたい。伝えていきたいと思っています。」