映画「ほかいびと」北村監督講演
漂泊の俳人、井上井月を描いた映画「ほかいびと」の北村皆雄監督の講演会が23日、伊那市の創造館で開かれました。
会場にはおよそ80人が訪れ、講演を聞きました。
北村監督は、「井月を放浪の系譜の中で捉えたかった。井月が伊那に来た江戸時代と、放浪が許されなくなった明治時代を対比して描きたかった」と説明しました。
井月については、「物を捨てるという生き方を選んだ僧侶、一遍さんの姿に重なる。世捨て人的なものが井月にあったのではないか」と話しました。
井月の死については、「明治時代になると江戸時代の絆などのいい部分が無くなった。井月の死を、時代の死と捉えたかった」と話しました。
北村監督は、「日本を考えるとき、井月の生き方をもう一度感じて、日本や伊那を考えてくれたらうれしい」と話していました。
映画「ほかいびと」は、来年1月11日から20日まで、伊那市の旭座で再上映されることになっています。