400年の伝統 羽広の獅子舞
保存会が本番に向け練習
伊那市羽広に伝わる小正月の伝統行事「羽広の獅子舞」。
400年の歴史がある羽広の獅子舞は伊那市無形民俗文化財に指定されていて毎年1月15日に仲仙寺で披露されます。
羽広の獅子舞は、勇壮に舞う雄獅子と静粛に舞う雌獅子の舞い合わせが特徴です。
現在は地区住民でつくる羽広獅子舞保存会が、その伝統を継承していて地区内に7つある組のうち、仲仙寺を境に北の1組から3組が雌獅子、南の4組から7組が雄獅子を舞います。
雄獅子の頭は西村さんに決まる
8日夜、伊那市羽広6組の集会所では今年の舞に向けた練習が行われていました。
舞い手は毎年、保存会のメンバーが話し合いで決めていて、今年の雄獅子の頭は会員になって4年目の西村清史さんが務めることになりました。
西村さん「自分も羽広で生まれ育ってますので獅子舞を舞えることは非常に光栄なことですし、感慨もあります。逆にその分、荷の重さも感じます。当日はなるべく古典に近い獅子舞で、あまり我流にアレンジせずに代々受け継がれたものを出せればいいなと思っています。
若い人を育て発展させていかなければ・・・
保存会の鈴木清治会長は地区の中で長年にわたり受け継がれてきた舞を、絶やさず次の世代に伝えていきたいと話します。
鈴木会長「舞える人、笛を吹ける人、太鼓をたたける人をどんどん育てていかないと戸数は増えても年寄りばかりではいけないので、なるべく若い人を集めて、
これからさらに発展させなければいけないと思っています。」
新しく羽広の住民となった若者も獅子舞の練習
同じ日羽広1組の集会所では雌獅子の練習が行われていました。
雄獅子と雌獅子が一緒に練習をするのは本番の前の日1回のみで、それまでは別々に練習します。
この日は雌獅子の頭の候補となっている2人が舞い方の確認をしていました。
練習が行われているなか、1人の若者が先輩会員から舞の指導を受けていました。
この若者は去年10月、羽広の女性と結婚した馬場大輔さんです。
南箕輪村に住んでいた馬場さんは、結婚を契機に羽広の住民となり、同時に保存会に入会しました。
馬場さん「羽広の獅子舞は迫力があってすごいな、かっこいいなと思う。伝統もあるので自分もこうやって参加させてもらって一緒にやれるというのはうれしいですね。もし舞える機会があれば是非やってみたいと思います。
今年は399回目の舞
若者の減少が続くなか伝統芸能を地域の財産として継承する羽広獅子舞保存会。
今年は399回目の舞となります。