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南アルプス食害協議会 活動報告

南アルプス食害協議会 活動報告

 ニホンジカによる食害対策に取り組んでいる南アルプス食害対策協議会が17日開かれ、高山植物の回復についてバランスよく生息させていくことが必要などと報告しました。 
 17日は、伊那市役所で活動報告会が開かれ、関係者およそ80人が集まりました。
 協議会は、伊那市など4市町村の他、国や県、信州大学農学部などで組織していて、17日は、これまでの取り組みについて報告しました。
 このうち、仙丈ヶ岳の防除柵の設置による高山植物の回復効果について研究している信州大学農学部の渡邉修准教授は「2008年の柵設置から2年間で、4品種の高山植物が多く見られようになった。しかし、特定の植物が優位となり、他の植物の回復を妨げていることが分かった。種の多様性の観点からも、バランスよく生息させることが必要」などと話しました。
 他に、捕獲されたシカのストレスについて調べた竹田謙一准教授は「捕獲方法別によるシカに与える影響を調べたところ、主流となっているくくり罠は、ストレスを最も与えることが分かった。ストレスが多いシカの肉は、食用に向かなくなるのでシカの拘束時間の短縮や、罠の改良などを行ってストレス軽減を図ることが必要となってくる」と話しました。
 協議会では、「南アルプスの貴重な自然を守るためにも、今後も各分野で協力して取り組んでいきたい」と話していました。

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