伊那中央病院災害時に備え地下水利用検討
伊那市の伊那中央病院は、地震などの非常時に地下水をくみ上げ、水道水として利用するシステムの設置を検討しています。
これは28日、伊那中央病院で開かれた運営審議会で、病院側が来年度の事業計画として明らかにしました。
中病の説明によりますと、昨年3月の東日本大震災では、建物は無事だが、途中の水道管が破損し、病院への水の供給が止まった事例が数多くあったということです。
水道が止まった病院では、手術時の器具の洗浄や人工透析の治療などが行えず、患者の受け入れができなくなったと言う事です。
中病では、現在、病院で使用する水、1週間程度を地下に貯蔵し、非常時に備えていますが、地下水と2重化することにより、更に災害に強い病院を目指しています。
地下水上水道システムの事業費は、4千2百万円となっています。
今後は、隣接する、御園、山寺の両区で説明会を開催し、地元住民の同意を得て事業に着手したいとしています。
伊那中央病院の川合博院長は、「震災を教訓に、準備を進め地域の安心と安全をまもっていきたい」と話していました。
中央病院の来年度予算については、来月開かれる、伊那中央行政組合議会に提出されることになっています。