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特別養護老人ホーム管理栄養士早川佳代さん(31)伊那市西箕輪

特別養護老人ホーム管理栄養士早川佳代さん(31)伊那市西箕輪

 栄養士って、すごくいい仕事なの。寮母さんや看護師さんは『だめ』って言わなきゃいけない時もあるでしょ。でも私の使命は“いかにしてお年寄りに食事を楽しんで食べてもらうか”だから、“あれが食べたい”っていう要望にはどんどん『いいよ』って言えるの窶煤B
 今年4月、入所者70人の特別養護老人ホーム「みすず寮」に配属された。基本の献立をつくり、それぞれの健康状態などに応じて、調味料の量や形態を変える。入所者の「あれが食べたい」にはできる限りこたえるのがモットー。
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 寝たきりも多い入所者。食事方法は、加齢に伴い変化していく。1年後、約3分の1の入所者が今の形の食事をとれなくなるのも事実。食べられなくなっていく姿を見るのは切ない。「だからこそ、お互い悔いを残さないためにも、『食べたい』には、できる限りすぐ、対応する」。フットワークの良さが自慢。“すぐ”を強調するのには訳がある。
 過去に1度、作る約束をした翌日に、そのお年寄りが入院してしまったことがある。運よくその人は帰ってきてくれ、約束を果たせた。しかし、そのまま帰ってこれない場合もある。約束したことすら忘れてしまうお年寄りだっている窶煤B1日1日の大切さを実感した。
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 秋の味覚“サンマ”を炭火であぶり、香りも楽しんでもらう「焼きサンマ大会」、週に1度の手作りおやつ、ラーメンの日は、食堂の入り口に屋台さながらの“のれん”をつるす演出窶煤Bお年寄りがあっと驚くようなさまざまな仕掛けづくりにも余念がない。味覚だけでなく、五感で食事を楽しんでもらいたい窶狽ニの思いから、ちょっとした工夫が生まれる。思いにこたえるかのように、逆にお年寄りが、こちらを驚かせることもある。
 郷土食のおやつ“ニラの薄焼き”を手作りした時は「うめえ、うめえ」と大好評。普段は流動食しか食べないお年寄りも「固形のまま食べたい」と、刻んだ状態のものをパクパク食べた。驚きと同時に感動もひとしおだった。
 お金じゃなくて、ちょっと手間とずくを出す。それで喜んでもらえれば、それが一番窶煤B
 「でもね、私はそんなに大変じゃないの。栄養士一人にできることなんて限られている。ここのスタッフはみんな食事への理解がものすごくあって、協力的。それはすごくありがたい」と念を押す。
 焼きサンマはその象徴。骨を取り除く作業や焼く作業は、いつも以上に時間も手間もかかる。それでもみんなでサンマを焼く網などを持ちより、少しでも楽しんでもらうために協力し合う。お年寄りの「ああ、うまかった」が聞ければ、全てが丸く収まる。
 「ここのお年寄りは私にとってすごく大事。お年寄りにどうしたら喜んでもらえるか考えて窶狽ィ年寄りのために仕事をしたい。それが私の住民サービスでもあるの」

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