親子三代展
それぞれ異なる芸術分野で活躍する奥野季子さん(72)、信一さん(57)、真紀さん(31)による「親子三代展」が、28日から伊那市西春近のかんてんぱぱホールで開かれている。草書体を中心とした書、桐指物のすずり箱、鮮やかな型染め着物など約50点が、訪れた人の目を楽しませている。
もとは東京の下町の出身。現在3人は別々に暮らす。それぞれがものづくりに携わっており「お祭りみたいにやってみよう」と、1年ほど前から準備をしてきた。
「最後まで楽しめる趣味をもとう」と書を始めた季子さんは、書暦40年。現在は鶴心書道会審査同人を務める腕前。息子の信一さんは高遠町在住。先祖代々の職、江戸桐指物を引き継いだ5代目で、現在は指物だけでなく、インスピレーションを刺激するオブジェ製作にも取り組む。信一さんの娘、真紀さんは、沖縄の伝統的な染色方法“紅型(びんがた)”を学び、それを基調にした“型染め”に取り組む。伝統と現代がコラボレートした作品は、鮮やかだがどこか懐かしい安心感がある。
信一さんは「分野は違うが、みんな日本の伝統的なもの。3つ一緒に見ることができるので、ぜひそれを楽しんでほしい」と話していた。
入場無料。30日まで。