高遠・長谷での風力発電に野鳥の会が事業化中止訴え
総合商社・丸紅(東京都)と、長谷村黒河内にある同社の100%出資会社・三峰川電力が事業化計画を進める高遠町と長谷村への風力発電による電力供給に対し、日本野鳥の会伊那支部の星野和美会長と役員の吉田保晴さんが28日記者会見し、「景観が損なわれる上、猛きん類の生息環境に多大な影響を与える」とし、事業化の中止を訴えた。
風力発電は入笠山から鹿嶺高原まで南北にのびる尾根伝い約11キロに、高さ100メートルほどの風車を30基建てる構想。会見上で構想を基にシミュレートした写真を公開し、「風車が立ち並んだ光景は受け入れられない」とした。
吉田さんによると、県のレッドデータブックに記載されているイヌワシやクマタカなどの稀少猛きん類が建設計画地で観察されていて、「飛行中に風車に衝突する危険性がある」としている。
同支部は14日に開いた役員会で、中止を訴える結論に達し、28日付けで町と村に反対の働きかけを促す要望書を送付した。来週には伊那市にも提出するという。
三峰川電力では「現段階ではなんとも言えない」とするにとどまった。