信州もみじ湖夢くらぶ
自然豊かな箕輪町東箕輪で、「農業を生かして地域を活性化しよう」と、03年8月に発足した。ワイン生産に向けたブドウ栽培、アイガモ農法による「あいがも米」の生産などに取り組んでいる。
会員は東箕輪地区の有志を中心に20代から70代までの34人。ほとんどが兼業農家の勤め人。「これからの農業の技術も踏まえながら、いいもの、こだわりあるものを作って販売しよう」「もみじ湖を生かし、観光とタイアップしていこう」。夢をもってやるために、会の名前に「夢」を付た。
「うそのない正直なワインを作ろう」と始めたのがブドウ栽培。外国の原料ではなく、自分たちでしっかりしたものを育ててやりたい-と昨年4月、20アールの畑にワイン専用品種220本を植えた。元長野県果樹試験場長の柴寿さん=長岡=の指導で、赤ワイン用と白ワイン用を育てている。
今年10月、ブドウ600キロを収穫して原料出荷した。「糖度が命。栽培2年目にしていいものがとれた。自信が持てた」と根橋英夫代表は言う。
申込1口で毎年ワイン1本(720ミリリットル)を4年後から5年間届けるワインオーナーを募集。昨年は128本植えたが、さらに50本植えたいと新たなオーナーも募っている。
「“みのわ”では知名度がない。安心・安全で特色ある米を作りたい」と、低農薬、有機栽培の「あいがも米」の栽培にも取り組む。アイガモの“アイちゃん”は、ひなのときから水田に放し、稲穂がつくまで田で過ごす。食欲おう盛で雑草を食べるので、除草剤を使わずにすむ。
「牧場からの有機たい肥を入れた田で、もみじ湖の水を使う。化学肥料を使わないので収量は少ないが、味はいい。アイちゃんが元気に育っているのが安心の証拠」
特産化に向け、「信州“みのわ”の極上米」として来年度用「あいがも米」の予約も始める。
米栽培で重要な役目を担うアイガモを、さらに地域おこしに役立てよう-との考えもある。羽から骨まで全て使えるカモは、12月まで育て、肉はローストチキン、かも鍋、かもそばなどに利用。カモ肉を箕輪の特産にしようという構想だ。さらに、「アイガモは雌雄いつも一緒。アイちゃんはラブラブなので新婚さんに」と、羽を利用して羽毛布団や羽毛まくらなどの製品化にも夢が膨らむ。
「楽しみながら農業をしたい。農業は苦しい、暗いというイメージがあるが、夢をもって明るいイメージでやっていこう」。熱い思いを胸に挑戦は続く。
箕輪ダム「もみじ湖」イベント広場では、町が中止したイベントを、「もみじ湖夢まつり」として会で実行委員会を組織して開き3年目。「もみじ湖の水の恵みに感謝」する祭りは、10月30日午前10時縲恁゚後3時。
酪農地帯という地域性を生かした牛の飼料用ロールを転がす「牛さんのおにぎり杯争奪第2回ロール転がし競争大会」、搾りたて牛乳やきのこ汁のサービス、写生大会、ふれあい動物園、乗馬、マウンテンバイク、太鼓演奏、ダンス、農産物直売などがある。ワインオーナーの申し込み、「あいがも米」の予約も受け付ける。問い合わせは根橋代表(TEL79・0744)へ。 (村上裕子)