宇津木薬師如来 33年ぶり御開帳
縁結びなどで知られる伊那市長谷杉島の秘仏
伊那市長谷杉島の報恩寺の境内にある宇津木薬師堂にある秘仏・薬師如来像の御開帳が、33年ぶりに行われました。
伊那市の有形文化財に指定されている杉島の宇津木薬師堂の薬師如来像は、妻や夫がない人が念ずれば授けてくれる縁結びの薬師といわれています。
毎年、4月に例祭が行われていますが、本尊である薬師如来を拝む事はできません。
報恩寺の近くで生まれた伊那市荒井の伊東家子さん95歳。人生3度目のご開帳にどうしても立ち会いたいと、家族とともに足を運びました。
昭和55年から実に33年ぶりに、薬師如来がご開帳されました。
僧侶らが大般若心経を転読してご開帳の法要を行いました。
薬師如来が杉島宇津木に移ったのが元歴元年1184年とされ、現在の薬師堂が建設されたのは、宝暦4年1754年とされています。
信心深い杉島の人たちは、33年に1度のご開帳を続けてきたということです。
15日は、伊那市外からも多くの人が訪れ、薬師如来像に手を合わせていました。
杉島宇津木地区は、現在、別荘地となっていて、常に住んでいる世帯はありません。
杉島地区は、前回のご開帳の昭和55年ごろには、70戸190人ほどが住んでいましたが、現在は、40戸、80人ほどに減っています。
次にご開帳されるのは、平成57年の予定で、伊那市では、この伝統を未来につないでいきたいとしています。