住民とシカ 終わらない戦い
囲いワナに7頭捕獲・・・逃げられる
伊那市高遠町の的場地区の住民で組織する地域づくり委員会は、今年ニホンジカ捕獲用の囲いワナを設置し、16日夜から17日朝にかけて7頭がかかりました。
しかし、捕殺寸前ですべてに逃げられ、シカとの戦いの厳しい現状が浮き彫りになる結末となりました。
囲いワナの鉄製の柵。
柵の継ぎ目がぽっかりと口をあけてしまっています。
ここから捕獲されていた7頭のシカが逃げ出しました。
伊那市高遠町的場に今年3月に完成した囲いワナには、今朝7頭のニホンジカが捕獲されているのが確認されました。
的場すみよい地域づくり委員会が、シカによる農作物の被害対策として、国の補助を受け設置しました。
委員会の中には、猟友会員もいて、完成から1ヶ月半、シカになれさせるためゲートを開放する策がとられました。
15日の夕方、ゲートがしまるよう捕獲用にセットしたところ、16日の夕方から17日朝にかけて7頭のシカの捕獲に成功し、今朝は、委員会のメンバーたちが現場に大勢かけつけました。
自主的に活動する的場すみよい地域づくり委員会
的場すみよい地域づくり委員会は、住民が自主的に活動している組織で、鳥獣対策班は5人。
それぞれが役割を持ち、朝晩の見回りなどを分担して行なっています。
メンバーの1人は、今年くくりワナの免許も取るなど積極的に参加しています。
的場地区の耕作地は、山に近いことから防護柵で鳥獣対策をしてきましたが、抜本的な解決とはなっていませんでした。
鉄製の囲いに体当たりするシカたち。
ワナから脱出しようと必死です。
一瞬で7頭のシカは囲いを飛び出し、東の山へと逃げていきました。
シカが逃げ出した囲いを見ると体当たりの力のすさまじさがわかります。
委員会のメンバーたちの喜びもつかの間、シカの捕獲は、振り出しに戻りました。
住民とシカの知恵比べはまだまだ続きます。