オペラ春香 64年ぶり上演
伊那市の名誉市民、故・ス木東六さんが作曲したオペラ春香が64年ぶりに、3日、伊那文化会館で上演されました。
オペラ春香は、「韓国版、ロミオとジュリエット」ともいわれる純愛物語で、韓国の古典文学「春香伝」をもとに、・ス木さんが昭和22年(1947年)に疎開していた伊那で作曲した作品です。
物語は、ヒロインの春香が貴族の男性と身分を超え恋に落ちますが、春香を見初めた役人によって2人の仲は引き裂れてしまうというストーリーです。
春香は、昭和22年から23年にかけ東京や大阪で上演されましたが、朝鮮半島の南北国家分裂などの影響もあり、オリジナル作品はそれ以降は上演されていませんでした。
2008年に小坂樫男前伊那市長が、韓国大統領就任式に出席した事がきっかけとなり、春香の舞台となっている韓国の南原市との民間交流が始まりました。
より文化的な交流につながればと、市民有志がオペラ春香実行委員会を組織し、3年をかけ上演の準備を進めてきました。
舞台では、上伊那を中心とした音楽愛好家、およそ200人が出演し演奏や歌声を披露していました。
実行委員会の北沢理光事務局長は「64年間上演されていなかった物を形にするのは大変だったが、実現できうれしく思う」と話していました。
また、・ス木東六さんの長女の・ス木緑さんは「春香が生まれた伊那市で、伊那の人たちにより、再び演じられることに大きな意味がある。」と話していました。