【カメラリポート】芝平の人達が伝える鍾乳洞
伊那市高遠町長藤御堂垣外
集団移住で廃村となった伊那市高遠町芝平の人々が語り伝えてきた、鍾乳洞を訪ねました。
芝平出身の北原厚さん。過疎による集団移住で芝平の土地を後にしました。
芝平の人たちが、語り伝えてきたという鍾乳洞が、高遠町長藤の御堂垣外にあるというので、伊那谷自然友の会のメンバーと一緒に案内してもらいました。
急斜面を登ると見えてきた
急斜面を登ると、洞窟が見えてきました。
日本地質学会名誉会員で理学博士の松島信幸さんが中心となって、鍾乳洞の深さなどを探ります。
今回の調査では11メートル40センチでした。
しかし、以前に調査を行ったときには30メートルあることが確認されており、深くて危険なため埋められたということです。
「赤石山脈地域では非常に珍しい」
参加者はおそるおそる洞窟を覗いたり、写真に収めたりしていました。
松島信幸さんは次のように話しています。「赤石山脈地域には、石灰岩は結構あるが、奇妙なことに洞窟はほとんどない。たまたまここに縦坑があったということは非常に珍しい事だと思う。」
「縦坑は隆起している証拠」
南アルプスでは、珍しいという鍾乳洞。
また、松島さんは、次のようにも話します。
「縦坑があるということは、この地域は恒常的に年に数ミリずつ隆起しているという証拠になりますね。」
自然が活動する様子も観察できる貴重な機会となりました。