南アルプスでニホンジカ広域捕獲
くくり罠50個設置
伊那市など、関係する市町村や県などでつくる南アルプス食害対策協議会は15日、伊那市長谷の大平山荘周辺でニホンジカの広域捕獲を行いました。
大平山荘周辺は、鳥獣の捕獲が禁止されている鳥獣保護区ですが、ニホンジカによる食害が問題となっているため、県の許可を得ての実施となりました。
南アルプスの高山植物をシカの食害から守るため個体数を調整しようと、長野県と山梨県の両側から捕獲が行われています。
長野県側では、長谷の猟友会員の他、県や市の職員およそ20人が参加しました。
猟友会員らは、南アルプス林道バスのルートから50メートルほど奥に入った山中で、ニホンジカの通り道を探して、くくり罠をしかけていました。
山中には、ニホンジカの物と見られる糞が落ちていた他、木の皮が食べられた比較的新しい跡などがありました。
伊那市長谷猟友会の北原幸彦会長は「これ以上ニホンジカが標高の高い位置に移動しないうちに手を打つ必要がある」と話します。
昨年度上伊那地域の有害鳥獣による農業や林業の被害額は1億8,200万円で、うち56%にあたる1億200万円がニホンジカによる被害となっています。
昨年度は、7,332頭のニホンジカを捕獲していて、県では今後被害額が減少するとみています。
15日仕掛けた50個の罠は、24日まで毎日猟友会員が見回ることになっています。