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2511/(月)

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瑞宝双光章(教育功労)受賞
高坂保さん(76)

元小学校長・中学校長
駒ケ根市小町屋

瑞宝双光章(教育功労)受賞<br>高坂保さん(76)

 「教え子たちは幾つになっても『先生、先生』と言って慕ってくれる。教師をやってきて良かったとつくづく思いますね。本当に楽しかった。でも振り返ってみれば教え子に教えられることの方が多かったですね。今回の受賞も支えてくれた教え子や保護者、先輩たちとともにいただくものと思います」
 ◇ ◇
 七久保村(現飯島町七久保)の村長の家に生まれ、予科練(海軍飛行予科練習生)を経て大陸で戦闘機の訓練中に終戦を迎えた。本土への復員船の中で「これからの日本は大きく変わっていかなければならない。それには何といっても教育が大切だ」と考えを定め、理想に燃えて教職の道を選んだ。1950年、長野市の川端中学校を振り出しに下諏訪町、伊那市、松本市、駒ケ根市、辰野町の中学校勤務を経て駒ケ根市立東中校長、赤穂小校長を歴任。退職後は駒ケ根市教育長の重責を10年間務めた。
 学校では怖い先生だったという。「子どもたちと友達になってしまっては駄目だ。しかし共に笑い、共に泣くような『共感』は絶対に必要。厳しい時と緩める時の塩梅(あんばい)が大切ですね」
 若いころは教えることの難しさに悩んだこともあるが「先輩や同僚の教師らと毎晩遅くまで議論したり、哲学書や禅、武士道などの書物の読み合わせをしたものだ。そんな切磋琢磨を重ね、周囲に支えられて今日の自分があるんですよ」。

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