南大東島へ友好米贈る
「平成の米の道」開通をめざして
コメの取れない沖縄県・南大東島に送ろうと、市民有志が伊那市東春近の友好田で栽培してきたコシヒカリがこのほど収穫され、3日に南大東島にコメを届ける訪問団が出発することになった。1日、有志の中心母体である青パパイアの会(代表・小林史麿グリーンファーム社長)が記者会見して明らかにした。
市民レベルで進む沖縄県・南大東島と伊那市との交流を拡大するためのもので、6月に無償で提供された細田清登さんの田んぼを借りて、ボランティアが田植え。8月には伊那を訪問した同島の子どもたちが雑草取りをした。その後も、有志を中心にした田んぼの管理をし、精米して20俵弱の収穫があった。
島には合計19俵を贈り、6俵は幼稚園・小中学校・老人ホームなどで使用。残りは経費相当分の原価で島の人に譲る。
コメを届ける訪問団は、友好のきっかけを作った井地千代子さんはじめ、8月に島民を招いた際に食事作りなどを担当した女性4人。「伊那谷コメ娘」として伊那の美味しいコメを宣伝してくる。4日には南大東小中学校で伊那のコメを使った給食をともにするほか、5日には島の運動会でおにぎりにして振舞うなどの計画も進行中だ。
南大東島の子どもとの学校ぐるみの交流を始めた伊那西小学校からの手紙や贈り物なども携えて島に向かう。
小林さんは「昔、伊那のコメは権兵衛峠を超えて木曽に向かった。平成のコメの道は、海を越えて信州から離島に向かう。そんな経済交流の先駆けになればうれしい」と話した。