阪本家資料 矢澤さん公開
砲術に関する資料など多数
伊那市高遠町の矢澤章一さんは、蔵で保管していた高遠藩学の祖で砲術家の阪本天山とその子孫に関わる歴史資料を、17日初めて公開しました。
矢澤さんは、所有している資料を伊那市教育委員会に寄託するため、高遠町歴史博物館の北原紀孝館長らを招き、資料を公開しました。
資料は、江戸後期から明治時代のものが大半で、火薬の製造法や、銃の鋳造法がかかれたものなど、500点ほどあります。
公開されたのは、阪本天山の甥で天山の養子になった俊道(通)一族が伝える歴史資料です。
俊道が高遠藩から諏訪の高島藩に移り、その後、阪本家と親しくしていた山中家に、資料が入った蔵ごと土地が分譲されました。
山中家の蔵が取り壊されることになった際、山中家の親戚にあたる矢澤さんが相談を受け、資料一式が入った箪笥などを預かり、大切に保管してきました。
このほど、天山の子孫で陶芸家の坂本俊人さんが天山直筆の砲術の免許などを伊那市に寄付したことを知り、それに関係する資料なので、一緒に管理されたほうがいいと考え、矢澤さんも伊那市教育委員会に寄託する事にしました。
高遠町歴史博物館でも、これだけまとまった資料が、きちんとした出所から出てくるのは大変貴重としています。
矢澤さんは、元の所有者である山中家からの寄託品として、高遠町歴史博物館に預けたいとしています。