復本さん編纂の「井月句集」岩波文庫から出版
神奈川大学名誉教授で俳文学者の復本一郎さんがまとめた「井月句集」があす16日に、岩波文庫から出版されます。
復本さんは「井月の評価を高めるきっかけになることを期待したい」と話しています。
幕末から明治にかけて伊那谷を放浪した俳人井上井月についてこう話すのは神奈川大学名誉教授で俳文学者の復本一郎さん。
復本さんは松尾芭蕉や正岡子規など俳人に関する調査、研究を行い、これまでに数多くの本を出版してきました。
芭蕉を俳句の師と仰いだ井月
その中で芭蕉を俳句の師と仰ぐ井月を知り、5年がかりで「井月句集」をまとめました。
句集には井月が残した句から選ばれたおよそ1300句に関する解説が添えられています。
復本さんは、井月は芭蕉をしっかり学んでいるほか古文にも精通するなど教養のある人物だと言います。
泥くさき子供の髪や雲の峰
句集をまとめた復本さんは数ある井月の句の中でも特に優れているものとして「泥くさき子供の髪や雲の峰」という句を挙げます。
孤高の俳諧師の文業が分かる
「句集」では俳句一筋の生涯を送り芭蕉の道を歩いた孤高の俳諧師井上井月の文学上の業績を知ることができます。
岩波文庫出版の「井月句集」は16日に全国の書店で一斉に発売されます。