遭難事故の記憶を後世へ
特別展「中箕輪尋常高等小学校 駒ヶ岳遭難」
1913年、大正2年に発生した中箕輪尋常高等小学校の駒ヶ岳遭難事故を後世に伝えようと、当時の資料を展示した特別展が、27日から箕輪町郷土博物館で始まりました。
会場には、手記や新聞など当時の様子を伝える貴重な資料が並んでいます。
中箕輪尋常高等小学校の駒ヶ岳遭難は、1913年、大正2年に当時の校長、生徒合わせて11人が暴風雨に遭い犠牲となったものです。
遭難事故から来年で100年を迎えることから、町では後世に伝えていこうと特別展を企画しました。
この絵(写真)は、青年会員として登山に参加した、有賀義計さんが昭和50年頃に老人福祉施設にいるときに描いたものです。
絵には当時の状況が添えられていて、一人目の犠牲者が出た時には「泣き出す子どもや大声を出す子どもがいて、まるで地獄絵図のようだった」と書かれています。
このほか、当時の登山で身に着けていた衣類なども展示されています。
会場を訪れたある男性は「雨や風が強くなってきたときに引き返すことを考えなかったのか、そんなことを思ってしまうが、頂上近くまでいけばあと少し頑張ろうと思うのが人の性。助かる方法があったのではないかと考えてしまう」と話していました。
特別展「中箕輪尋常高等小学校の駒ケ岳遭難」は11月18日まで、町郷土博物館で開かれていて、入館は無料です。
期間中には学芸員による展示解説も予定されています。