伊那谷ねっと

サイトマップ ニュース検索
2711/(水)

ニュース

「信州の名工」高栖邦章さん

「思いを込めた物づくり伝えたい」

「信州の名工」高栖邦章さん

 「自分でもびっくりしている。これまで一生懸命仕事をしてきたこと、会社が推薦してくれたことが受賞につながった」
 伊那市上牧の高栖邦章さん65歳。
 中学卒業後、岡谷工業高校に通いながら岡谷市内の機械加工会社で技術を習得。昭和51年に現在の中村製作所に入社しました。

精密な技術を要する基台の金型製造と調整

「信州の名工」高栖邦章さん

 ハードディスク内の部品を固定する基台の金型の製造、調整が主な業務で、1000分の1ミリ単位の研磨技術が求められます。
 中村製作所が世界で初めて金型を開発した1.8インチハードディスクの基台は、アメリカ、アップル社の小型音楽再生機器「i Pod」にも使われていて、高栖さんは金型の製作・調整チームのリーダーとして開発に携わりました。
 高栖さんは「金型が図面通りにできても、うまくいくとは限らない。苦労も多いが、図面通りできたときにはその苦労も吹き飛ぶ」と話していました。

“昔ながらの職人”育成へ

「信州の名工」高栖邦章さん

 半世紀に渡り機械加工に携わってきた高栖さん。
 入社した当初に比べて機械の技術は革新的に進歩したと話します。
 その一方、作業が分業化されたことにより、作業を総合的に捉えることのできる、昔ながらの「職人」がいなくなってしまったとも話します。
 現在、高栖さんは嘱託社員として後進の指導にあたっています。
 高栖さんは「若い人たちに物づくりの楽しさを知ってもらいたい。その中で、ただ形にするだけでなく、思いを込めた金型を作ってもらいたい」と、次世代を担う若手従業員の成長に期待を寄せています。

前のページに戻る 一覧に戻る