中川紀元ー東洋の精神、西洋の筆ー
伊那市創造館で第6回逸品展
辰野町出身で地域を代表する画家、中川紀元の作品を展示した伊那市創造館の逸品展其之六「中川紀元縲恣圏mの精神、西洋の筆」が11日から始まりました。
創造館1階の上伊那図書館歴史コーナーには、上伊那教育会が所蔵し創造館が収蔵している中川紀元の作品6点が飾られています。
生誕120周年に合わせて初めて収蔵作品を一般に公開しました。
中川紀元は、1892年明治25年に辰野町に生まれ、東京藝術大学に入学。
中退後、茅野市の小学校に代用教員として勤めながら本格的に絵を描き始め、1919年にはフランスに渡り、アンリ・マチスに師事。
被写体を極端に単純化するフォービズムを学びます。
帰国後は、墨絵の制作に傾倒し、西洋画の画材を用いながら墨絵の精神で絵を描く日本独自の西洋画を探求したのでした。
紀元は、1972年昭和47年80歳で亡くなっています。
1915年、23歳の時の自画像。
紀元初期の代用教員時代の作品で写実的に描いています。
フランスから帰国後、1930年の作品、熱海風景。
フォービズムを学んだ後の38歳の時の作品です。
この墨彩画は、後期の作品。
墨絵の影響が見られます。
そして1967年75歳の時の自画像。
50年を経て描いた自画像は、フォービズム、墨絵を経て新たな境地が感じられます。
学芸員の小松由以さんは、「半世紀の間、制作を通して精神活動を続けてきたその道のりに思いをはせることができる」と話しています。
伊那市創造館の逸品展「中川紀元縲恣圏mの精神、西洋の筆」は2月18日まで入場無料で開かれていて、紀元の著書や書籍を集めた閲覧コーナーも設けられています。