「南アからシカ排除 必要」
南ア食害対策協活動報告会
ニホンジカによる食害から南アルプスの高山植物を保護する活動の報告会が今日開かれ、亜高山帯、高山帯から徹底的にシカを排除することが必要といった報告が行われました。
21日は、伊那市のいなっせで、南アルプス食害対策協議会の活動報告会が開かれ、関係者や一般など70人ほどが出席しました。
協議会は、ニホンジカによる食害から、南アルプスの貴重な高山植物などを守るために、環境省、林野庁、信州大学農学部、長野県、伊那市など関係する市町村が平成19年度に立ち上げました。
今年度は、5年の節目となることから、これまでの活動経過や調査の報告が行われました。
協議会では、平成20年度から、南アルプス仙丈ケ岳の馬の背に、防護柵を設置しています。
順次範囲を拡大し、平成24年度には、7か所、総延長は1キロ、面積にして1.5ヘクタールに防護柵を張っています。
報告会の中で、信州大学農学部の竹田謙一准教授は、5年間の調査のまとめを発表しました。
竹田准教授は、ニホンジカの影響が生じていなかった1980年代の植生に回復させる必要があることを前提として、防護柵には一定の効果が見られるが、回復した植物の種類に偏りがあり、どの程度まで人間が介入するべきか検討する必要があると話しました。
また、植物の保護には、ニホンジカの調整が必要だとまとめました。
竹田准教授は、ニホンジカの痕跡が多く認められるダケカンバの林が捕獲の候補地になるのではないかと話していました。
協議会では、来年度も、防護柵の設置など、活動を継続していく考えです。