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NECラ社損害賠償 住民訴訟に棄却判決

NECラ社損害賠償 住民訴訟に棄却判決

平成22年にNECライティング伊那工場が閉鎖したことに伴い、伊那市が支払った補助金などが無駄になったとして、伊那市民らが伊那市を相手取り、補助金返還などを請求するよう求めていた住民訴訟の判決で、長野地方裁判所は29日、この訴えを棄却する判決を言い渡しました。
住民訴訟は東京に本社を置くNECライティングの伊那工場閉鎖により、伊那市が支払った補助金と用地整備費用などが無駄になったとして市民らがその返還と損害賠償を市がNECライティング側に請求するよう求めていたものです。
市民らはNECライティングにおよそ5億5千万円の支払いを命じるよう伊那市に求めていたほか、当時の市長小坂樫男さんと今の市長で当時副市長だった白鳥孝さんに対し損害賠償を支払うよう求めていました。
市側はこれに対しNECライティングと伊那市、または土地開発公社の間で売買契約書を締結した事実はなく、さらに契約は土地開発公社との間で想定されていたもので、市に損害賠償を請求する権利はないなどと主張していました。
長野地方裁判所の山本剛史裁判長は、原告らの請求には正当な理由がないなどとして棄却。小坂さんに対しては、時効だとして却下を言い渡し原告側の主張を退けました。
この問題を巡ってはNECライティングが伊那市との間に債権債務がないことを確認することを条件に解決金を支払うこととする民事調停案が去年、長野地方裁判所から出されていました。
伊那市議会でこの調停案が賛成16反対3の賛成多数で可決され去年解決金が支払われています。
今回の裁判で、この議会の可決が司法判断にどのような影響を与えるかが注目されていました。
原告側市民代表の市川富士雄さんは「2年間に渡って原告の皆さんと一緒に戦って参りましたけれども法律の制約の中で棄却されたという点では非常に悔しく残念。この戦いを通じて土地の無駄買いだとかあるいは無駄使いだと指摘されるような市政が改善されることを期待したい。」と話していました。
一方、今回の判決について伊那市の白鳥市長は「判決は伊那市の主張を全面的に認めているということで満足している。企業誘致にかける伊那市のイメージは失墜したが今回の全面勝訴の判決を受けて、職員共々一生懸命、企業誘致に取り組んでいきたい。」とコメントしています。
原告団は、4月8日に伊那市内で報告会を開き、控訴するかどうか決めることにしています。

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