耕作放棄地 大規模再生
伊那市東春近田原 上段の耕作放棄地
伊那市東春近田原上段の耕作放棄地再生事業がこのほど完了し30日、竣工式が行われました。
この日は現地で記念碑の除幕式が行われ、関係者が竣工を祝いました。
田原上段の耕作放棄地は、養蚕が盛んだった頃、主に桑畑として活用されていました。
養蚕の衰退とともに桑の需要がなくなり、30年以上もの間荒れた状態のまま放置されていました。
農事組合法人田原では、地域の農業振興の課題となっていたこの土地の再生事業に、平成22年度から取り組み、2年間かけておよそ16ヘクタールの土地を畑として再生しました。
総事業費はおよそ6千900万円、そのうち3千500万円は国の耕作放棄地再生利用緊急対策交付金を使いました。
また、土地の造成や樹木の伐採、下草刈りなどのほとんどの作業を田原区民が行ってきました。
農地70区画を造成したほか、住宅地となっている下段への土砂流出を防ぐため、沈砂地と呼ばれる池も造られています。
伊東由和委員長は「耕作放棄地の再生が完了し感無量。後世にも残していける素晴らしい農地になった」と話していました。
伊那市内にはおよそ300ヘクタールの耕作放棄地があり、伊那市では、田原の取り組みをモデルとして再生事業を進めていきたいとしています。
伊那市の塚元重光農林部長は「この取り組みを見本に、地域でも耕作放棄地を再生していけるということを知ってもらい、伊那市の耕作放棄地をなくしていけたら」と話していました。
田原上段の農地では今後、白ネギを主力として、ブロッコリーやトウモロコシ、小麦の生産を行っていくということです。