県道脇の老木大移動
近隣住民見守る
伊那市境の県道脇に樹齢200年から300年とされているヤマナシの木があります。
このヤマナシの木を移動させようと、クレーンや重機をつかった作業が11日、1日がかりで行われました。
県道の竜東線では、現在道路の拡幅工事が進められています。
伊那市境の道路脇には、樹齢200年から300年のヤマナシの木があり、今回拡幅工事に伴い10メートル西側に移されることになりました。
当初は、切り倒すことが検討されていたということですが、地元市議や文化財審議委員らが後世に残すべきと判断し、市を通じて県に要望しました。
作業は午前中から行われ、周りでは近隣住民が見守りました。
この家に70年近く住む池上正美さん90歳です。
池上さんは、26歳の時にこの家に嫁ぎました。
木のそばには、池上家が管理する水神様などが祭られた小さな祠がありました。
祠は、去年12月ひと足先に池上さん宅の畑に移されました。
木は、その隣りに移植されます。
午後の作業開始から3時間が経ちましたが、根が地面に張っているため動かすことができません。
午前中から見守っていた近所のお年寄りも、晩御飯の準備で一旦この場を後にします。
作業開始からおよそ4時間。
樹齢300年の老木がゆっくりと持ちあげられました。
造園業者は、「木へのダメージを最小限に抑える為に、根に土をつけたまま移動させたかったが老木のため上手くいかなかった。栄養剤などを施しながら、木の生命力を信じたい」と話していました。
29日には、親戚・地類一堂が集まりお祝いをするということです。