熱演におひねり飛び交う
中尾歌舞伎 春季定期公演
伊那市長谷の中尾歌舞伎保存会は、春季定期公演を29日中尾座で行いました。
会場は立ち見もでる盛況ぶりで、名場面ではおひねりが飛び交いました。
今回の演目は、御所桜堀川夜討 弁慶上使の段です。
中尾座でこの演目が演じられるのは、6年ぶりとなりました。
物語は、源義経の正室卿の君の首受け取りの使いとなった弁慶が始めて会った自分の娘の信夫(しのぶ)の首を身代わりとして差し出すという悲哀を描いたものです。
見せ場の一つ、弁慶がわが子を手にかける場面では、会場から多くのおひねりが飛んでいました。
弁慶が首を持ち、会場を後にするラストの場面では、弁慶を演じた中村徳彦さんに歌舞伎役者の屋号「中村屋」との掛け声がかけられていました。
中尾歌舞伎を指導しているのは、94歳の西村清典さんです。
太平洋戦争で途絶えていた中尾歌舞伎を復活させた立役者です。
中尾歌舞伎保存会は、秋にも定期公演を計画しています。