観光だけでない桜の利用 進む
農家の収入アップと遊休農地解消につなげたい
桜を観光だけでなく商品開発の研究素材として活用し、農家の収入アップや遊休農地の解消につなげていこうという取り組みが、伊那市高遠町で行われています。
14日は、高遠町山室の北原昭男さんの庭に植えられたヤエザクラ「関山」の花の摘み取り作業が行われました。
この取り組みは、ヤエザクラの花を利用して和菓子などの食品や化粧品を開発しようと、愛知県の企業や大学などが行っているものです。
この企業は、日本一の桜の里づくりを進めている伊那市に計画を持ちかけ、平成23年度から栽培の講習会を開くなど準備を進めてきました。
伊那市やJA上伊那東部支所などでつくる東部地区農業振興センターが窓口となって農家から希望を募り、去年3月に40戸の農家に桜の苗木1,200本を配りました。
摘み取った花は東部支所に持ち帰り、冷蔵保存したほか一部を塩漬けにしていました。
高遠町地区には、市全体の6割にあたるおよそ230ヘクタールの遊休農地があることから、センターでは遊休農地の解消などに期待を寄せています。
花は、事業を進めている愛知県の企業に1キロ900円で買い取られることになっています。
葉の出荷は、来年以降本格的に行われる計画です。