消えゆく伝承 平家落人伝説
平家末裔の集落 長谷浦
小松内大臣平清盛と書かれた赤い旗。
この旗を持っている伊那市長谷浦に住む小松忠人さん。
長谷の浦には壇ノ浦の合戦で敗れ逃れてきた平気落人の伝説がありここの住民はその末裔といわれています。
浦に残る「小松氏先祖の墓」
その1人、小松さんが案内してくれたのは小松氏先祖の墓。
小松氏の先祖が平の重盛か維盛であるかは明らかではありませんが平家の流れの者であることは確かだとされています。
赤旗がたなびく先祖祭
ここでは毎年春の彼岸の中日に先祖祭りが行われてきました。
先祖祭りは源平合戦で平家が赤旗を掲げていたことにちなみ、各戸で保存する赤旗を竹竿につけて持ち寄り墓の生垣にたて、供養するものです。
これまでは浦の住民が集まり盛大に行われてきましたが、今年は住民の減少と高齢化により実施することができませんでした。
世帯数が減少する浦
小松さんによりますと浦には多い時で80世帯ほどが暮らしていましたが、今は9世帯ほどでそのほとんどが1人暮らしの高齢者だということです。
平家落人伝説を語れる人が減少
浦公民館に保管されている「小松内大臣平重盛卿」と書かれた掛け軸。
先祖祭りが終わると集まった人たちは公民館で盛大な祝宴を挙げその際、この掛け軸を掲げていたといいます。
平家落人伝説を語れる人が少なるなかその伝承は今消えつつあるのです。