伊那市有害鳥獣被害 1千万円減少
西山の生態調査や捕獲にも力を
ニホンジカなどの有害鳥獣による伊那市の昨年度の農作物への被害額は、前の年度と比べおよそ1千万円減少したことが分かりました。
一方で、ニホンジカが東山から西山に移動していることから、今年度は西山の生体調査や捕獲にも力を入れる考えです。
伊那市有害鳥獣対策協議会の総会が24日、市役所で開かれ、猟友会員や農業関係者などおよそ40人が出席しました。
昨年度の有害鳥獣による農作物への被害額は、防護柵の設置や捕獲の成果などから前の年度よりおよそ1,100万円少ないおよそ3,100万円でした。
鳥獣別では、ニホンジカとイノシシでそれぞれ400万円ずつ減少しています。
伊那市では昨年度、ニホンジカ2,500頭の捕獲を目標に取り組み、およそ3,300頭捕獲しました。
2年連続で3千頭を超える捕獲となっていて、市では「少しずつ成果が表れている。今後も猟友会などと連携を強化して対策をとっていきたい」としています。
総会では他に、権兵衛峠の頂上付近で数十頭のニホンジカの群れが確認された事が報告されました。
ここ数年、ニホンジカが東山から西山へ移動している傾向が顕著にみられるということで、市では今年度西山地区での調査と捕獲にも取り組む考えです。
他に、国の法律に基づき今月1日から猟友会員を伊那市鳥獣被害対策実施隊に位置付けています。
これにより一部の技能講習の免除や狩猟税が半額になるということです。