局地的な強風で収獲直前のリンゴに打撃
宮田村駒が原地区で8日午後、局地的に強い西風が吹き、収獲直前のリンゴ「ふじ」が落下するなど被害が出た。全収獲量の3割以上が被害に遭った農家もあるなど甚大。一時的に台風並みの突風が吹いたとみられ、「一瞬のことで何もできなかった」と、突然の出来事に各農家はショックを受けている。
駒が原は段丘の上にあるが、特に太田切川に近い南端部分の果樹園で大きな被害。
約500キロのふじが落下した59歳の男性園主は「午後3時すぎに突然風が強くなり、下からまくりあげるような状態。何もできず、ただ落ちるのを見ていた」と話した。
同程度の被害に遭った女性(63)は「こんな強風は経験したことがない。台風だってあんな風の吹き方はしない」と、片付け作業に追われた。
今年の宮田村内のふじは、昨年のような凍霜害や台風の影響もなく順調に生育。13、20日には都会の家族が数多く訪れる「リンゴオーナー」の収獲も予定していた。
「被害に遭わなかった木から工面するしか、仕方がない」「台風だったら事前の心構えができるけど。せつないねぇ」。園主たちは口を揃えた。
村産業建設課によると、落下や枝ズレなど被害に遭ったふじは17・8トンとみているが、実質的な被害や影響はさらに大きそうだ。