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日本画家、馬場一雄を顕彰、作品の情報提供を

宮田村出身

日本画家、馬場一雄を顕彰、作品の情報提供を

 宮田村出身で、画才に恵まれ優れた作品を残しながら、忘れ去られた日本画家、馬場一雄-。飯島町本郷の桃沢匡行さんは一雄の没後50年に合わせ、業績を顕彰し、後世に作品を継承しようと、作品に関する情報提供を呼びかけている。現存する作品は少なく、分かっているのは桃沢さん所有の「八重桜」。落款はないが、一雄作と伝えられている宮田村の中越諏訪社の舞台の引き幕「唐獅子牡丹」など。
 馬場一雄は1902年宮田村に生まれ、15歳で南画の松野霞城に師事、上伊那農業高校卒業後、日本大学美学科に進み、東京美術学校日本画科に転じた。卒業後は美術教諭を務めていたが、終戦後は田中角栄の秘書を務めた。その後、美術印刷の大塚巧芸社に勤務、日本画の複製画制作に携わり、55年、52歳で亡くなった。
 一雄は一男、一成とも名乗り、画号は花汀(かちょう)。東京美術学校では結城素明、川合玉堂、松岡映丘らに学んだ。社会に出てからの一雄は、職場が多忙だったことや、戦中、戦後と時代に恵まれなかったこともあり、作品の数は少なく、その上、戦災で家蔵の作品や資料を焼失した。
 桃沢さんは「一雄は花鳥画に優れ、書も見事。非凡な才能な持ち主だっただけに、時代に恵まれず、惜しまれる生涯だった。優れた作品が後世に残るように、作品の情報を

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