小黒川の土石流災害現場の今は…
伊那小学校5年智組が西メツラ沢を再調査
地域の川や湖を調査している伊那市の伊那小学校5年智組(北澤夏樹教諭・33人)は10日、同市内の萱の小黒川支流・西メラツ沢の土砂現場を再調査した。児童らは各班でテーマを持ち、地表や涌き水を調べたり、岩石の採取などをした。
智組は、昨年10月上旬の台風23号の影響で土石流が発生し埋まった沢の被害状態を、同11月中旬に見学済み。その後の変化を見比べるため、今回も信州大学名誉教授の北澤秋司さん(72)の協力で調査した。
児童は、夏から建設している土砂対策の「自在枠谷止工」を見学。関係者の県上伊那地方事務所職員らから、安全に工事が進められているか説明を聞いた。
谷止工は鋼製の枠の中に800立方メートルの石を詰めた砂防ダムの一種。高さ最大7・5メートル、幅44・5メートル、厚さ1・5メートル。コンクリート製に比べて工期も短く、コストも低いという。
児童らは説明を聞くなかで積極的に発言。「上流にも幾つか造らなければ土砂は防げないのでは」「鉄を使うことは自然環境を破壊するのでは」「小さな石では外れてしまうのでは」など関係者に鋭い意見を投げかけていた。
北澤教諭は「調査した知識をもとに、模型を製作して土石流を実際に作ろうと思う。実験から対策方法を学べたら」と次の活動を考えている。