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294/(月)

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鎌田実講演会に超満員の聴衆

福祉とは、医療とは何かを考える

鎌田実講演会に超満員の聴衆

 飯島町宅幼老所「いいさとねっと梅戸」の開所1周年を記念し、諏訪中央病院名誉院長の鎌田實さんを講師に招き8日夜、飯島町文化館で、講演会を開いた=写真。広く地域住民に呼び掛け、「鎌田先生を呼ぶ会」の実行委員会を組織し実現した。
 演題は「ひとり一人が安心して暮らせる地域福祉」。超満員600人の聴衆は、ユーモアを交えた話に聞入り、医療とはなにか、福祉となにか、原点に返って考えた。
 74年、夢を持って茅野市の諏訪中央病院に赴任した青年医師、鎌田さん。投薬と注射は最小限にという一貫した診療方針が「住民のためになる医療」と、市の保健婦に支持され、各地の公民館の健康教室で講師を務めるようになった。
 当時、県内17市中とワーストワンだった脳卒中の死亡率が、減塩と生活改善により、格段に下がり、地域と一緒の健康づくりの効果を実感したと話した。
 茅野市の特産品であり、繊維の多い寒天に着目、テレビ出演で、寒天ブームに火を点けたなど楽しいエピソードも紹介した。
 また、寝たきり老人の悲惨さ、介護者の苦労を目の当たりにし「見てしまった以上、なんとかしなくては」と訪問看護、往診をはじめ、床ずれの治療に当った。さらに、1年以上に入浴してない人を入浴させる「お風呂に入れちゃう運動」に発展。ボランティアがかけ付け軌道に乗ると、今度は病院の図書室を使って、デイケアに着手した。「図書室が会議などで使用できない時は、町にハイキングに行こうと、寝たきり老人を連れ出した。デイケアの場所を探して町に出て行くことで、町がバリアフリーに変わってきた。徐々に優しくなってきた」と話した。

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