講演会「父、新田次郎と私」
百周年記念事業の一環として遭難事故を題材にした山岳小説で映画にもなった「聖職の碑」の作者、新田次郎の次男、藤原正彦さんによる講演会が25日箕輪町文化センターで開かれました。 お茶の水女子大学名誉教授の藤原さんは作家としても活動しています。 講演会では「父、新田次郎と私」という演題で話をしました。 藤原さんは「父は学校卒業後、気象台に入り富士山頂で越冬しながら気象観測を行っていた。 その時の経験が後に山岳小説を書くうえで役にたったと思う。」と話していました。 また「太平洋戦争末期、満州に渡り気象観測を行っていた際、ソ連侵攻にもかかわらず逃げずに、軍事機密扱いだった観測情報を処分し捕虜になった。」として「気骨のある人だった。」と話していました。 会場にはおよそ500人が集まり藤原さんの話を熱心に聞き、「聖職の碑」を書いた新田次郎の人柄に触れていました。