井月探求 新たな視点
井月まつりでシンポジウム
漂泊の俳人・井上井月の人物像や経歴を、伊那市美篶出身で、井月と同時期に活躍した俳人北野五律(ごりつ)との関係から探るシンポジウム「井月探求 新たな視点」が、20日、伊那市創造館で開かれました。 北野五律は、伊那市美篶出身の俳人で、京都ではその道の第一人者に送られる称号・宗匠(そうしょう)と呼ばれていた人物です。 信州から中央に出て名を成した人物で、文久2年(1862年)に刊行された俳諧画像集でも大家の扱いを受けていて、井月より10歳ほど年上です。 今回のシンポジウムは、その五律と井月の関係性から、井月の人物像や、経歴を明らかにしようというものです。 五律の子孫である北野直衛さんは、「井月と五律は江戸で出会ったのではないか」と推論していました。 伊那市文化財審議委員長の竹入 弘元さんは、「井月と五律の関係を研究していくことが今後の課題」と話していました。 元日本経済新聞社論説委員の今泉 恂之助さんは、五律を訪ねて京都を訪れた頃の井月は、弟子が300~500人ほどいて、周りから尊敬される人物だったのではないかと考察しています。 会場には、60人ほどが足を運び、井月研究の新たな視点について理解を深めていました。