中尾歌舞伎 初の屋外2公演
伊那市長谷に伝わる中尾歌舞伎。12日に行う秋季定期公演では、初めて屋外での1日2公演を計画しています。 1日、公演に向け本番で身に纏う衣装を着け、稽古を行いました。 今回行う演目は「人情噺文七元結」です。借金をかかえた無類のばくち好きの男とその娘で借金を返すために身売りする娘など、江戸時代の町民の気質と人情が表現された作品で、平成元年の保存会発足後9回演じられています。 今回は平成16年以来の屋外の舞台熱田神社での公演を計画しています。 当日は、午前は長谷、午後は東春近田原の白山社に移動し初めて屋外の別々の会場で公演を行います。 今回の舞台では、ベテランの役者の混じり3人が初舞台を踏みます。 そのうちの一人中村勇治さんは稽古が終わっても台本を読み返していました。演技の指導にあたっているのは、戦前に役者として舞台に立ったこともある西村清典さん。西村さんは、中村さんの稽古が終わると指の使い方や歩き方顔の向きなど、細かい所までアドバイスしていました。 衣装の着付けを担当するのは、20年以上保存会を支えてきた女性2人です。 稽古が終わると、着る順番や帯の位置などを役者と確認していました。 保存会では、本場に向け稽古を重ね、秋季公演をレベルアップする新たなチャンスととらえています。 中尾歌舞伎の公演は、12日土曜日、午前11時から伊那市長谷の熱田神社で、午後3時から伊那市東春近田原の白山社で行われる事になっています。