高遠石工に注目 特別展きょうから
江戸時代、高遠から全国各地に出向き、石仏や石塔などを作った石工の資料を集めた特別展が9日から伊那市の高遠町歴史博物館で開かれています 特別展「高遠石工 鑿(のみ)に込めた想い」は、江戸時代ブランドとして認められていたとされる高遠石工の作品について広くしってもらおうと、企画されました。 会場には、高遠町歴史博物館や図書館、個人が所蔵する資料、89点が展示されています。 江戸時代に高遠藩内の農家では、農閑期の現金収入を得る為に、石仏や石塔作りなどをしていました。優れた腕を持つ人達は、全国各地に出向き、高遠石工と呼ばれました。高遠藩では、石工の活躍により、1856年には、税収のおよそ半分を石工が占めたという事です。 現在確認されているだけで、北は青森県から南は山口県まで19都県で高遠石工によってつくられた石仏があります。 このうち、江戸時代後期に336体の石像をつくった守屋貞治の資料では、伊勢の殿様から菩薩像を作った褒美で受け取った「数珠」が展示されています。 この数珠は、守屋家に代々伝えられ今回初めて、一般に公開されました。 博物館によると、お金の代わりに数珠を受け取った、貞治の無欲さや仕事に対する姿勢を表す品だという事です また、1839年に戦国武将武田信玄の墓の、石垣などを改修した時の仕様書や注文書などといった、石工の仕事について知る貴重な資料が展示されています。 この特別展「高遠石工 鑿(のみ)に込めた想い」は、12月15日まで高遠町歴史博物館で開かれています。