県単農道のJR立体交差着工へ
貴重な動植物の保護や県の財政難などで一部工事が中止になった宮田村大田切区の県単農道事業で、最も大きな工事となるJR飯田線との立体交差工事が今月末から着工することになった。16日夜に地元説明会が開かれ、県は2008年度までに交差を含む全ての事業を完了したいと見通しを示した。
立体交差工事は1年半程度の予定で、線路をほとんど移設することなく、狭い現道を2車線に拡幅する。その後も県は引き続き、交差前後から国道153号に接続する260メートル区間の整備を進める。
説明会には地元の建設推進委員会や地権者ら約40人が出席。上伊那地方事務所、JR東海ら関係者が工事概要、進め方などを説明した。
それによると、「ボックス」と呼ばれる箱状の構造物を使って施工。3月上旬には一晩使って、線路が通る新たな橋げたを渡す。
JRは、夜間に工事を実施するため運休などの影響はないとしている。
同農道事業は00年度に着工したが、計画地にオオタカの営巣などを確認して広域農道西側の区間331メートルを中止。さらに財政難を理由に一部区間は現道に待避所を設けるのみに事業縮小した。
この日の説明会では、中止に至った経緯の説明不足を指摘する声が挙がったほか、「08年度に本当に事業は完了するのか」などの質問も。
地事所の担当者は「県の組織改革、予算面など厳しい部分はあるが、完了させるべき事業として県(本庁)に要望している」と答えた。