ハッチョウトンボ生息 広さ・数が全国最大規模
新山で27種を確認
伊那市は18日、新山のハッチョウトンボ生息調査の結果を発表した。環境省の05年版レッドデータブックの準絶滅危ぐ種に選定されるモートンイトトンボなど27種類を確認。生息地の広さ、ハッチョウトンボ数は「全国最大規模」という。
調査は、日本蜻蛉(とんぼ)学会会長の枝重夫さん(73)=松本市=に依頼。5月から9月にかけ、月1回のペースで湿地を中心に調べた。
生息地は富県上新山の私有地0・7ヘクタール。ハッチョウトンボの発生数は5千匹と推定。そのほか、希少種であるルリボシヤンマ、ヒメアカネ、ネキトンボなど多くの種類を確認した。近くにあるゴルフ場脇の沢では、指標昆虫のムカシトンボや、ヒメクロサナエが見られた。
枝さんは▽湧水があり、1年中ひあがらない▽草丈が短く、日当たりがよい窶狽ネど「ハッチョウトンボの生息する条件が整っている」と説明。どこの池でも見られるクロイトトンボなど普通種が見られなかったことなどから「さらに5、6種は増えるのではないか」と話した。
市は引き続き、調査する方向で検討。
本年度は「トンボの楽園」保護事業として、地域住民の協力を得ながら生息地が踏み荒らされないように歩道などを整備する。
ハッチョウトンボは体長2センチほどで「世界で最も小さい」といわれ、5月下旬から8月中旬ごろまで見ることができる。県内の生息地は19カ所あるそうだ。