蟹澤雪人さん 自宅にほんだれ様
伊那市手良野口の蟹澤 雪人さん(86)の自宅に、小正月の風習・ほんだれ様が飾り付けられています。 住宅の玄関前に、3メートルほどのほんだれ様が飾り付けられています。 ほんだれ様は穂・垂れる・様と書きます。 穂がたれる様子を表現する五穀豊穣を願う小正月の伝統行事です。 ミズブサの木に挿されたヌルデは、アワやヒエの穂に見立てて下半分は皮を削ってあります。 手良地区では昔、養蚕が盛んだったということで、榊の木の先には、まゆ玉が挿されています。 終戦後、昭和30年から40年までは、この辺りのどのうちでも小正月に飾っていました。 しかし、蚕を育てる家が少なくなり、若者が働きに出るようになってから、ほんだれ様を飾る家もなくなったということです。 伝統がなくなっては寂しいと、蟹澤さんは数年前から、飾りを作っているということです。 材料を手に入れることや、重い土台を組み立てることは重労働で、作業はまる一日かかったということです。 ほんだれ様は、本来は20日まで飾るということですが、蟹澤さんは、2~3日後に、解体する予定です。