伊那市でエイズ予防・性教育講演会
伊那市役所で20日、「エイズ予防・性教育講演会」があった。在日ブラジル人や市の保健員など約70人が集まり子どもへの性教育のあり方やエイズとの向き合い方を学んだ。
市内には多くの日系ブラジル人が在住しているが、エイズ予防や性教育について学ぶ機会は少ない。家庭を持ち、子育て中の母親なども多くいるため市は、ポルトガル語に日本語の同時通訳を付けた講演会を昨年から始めた。
昨年同様、HIV感染者のジョゼ・アラウージョ・リマ・フィーリョさんの講演があり、市内のブラジル人学校に勤める心理カウンセラー小田ダニエル・定男さんが、子どもへの性の伝え方などを話した。
子どもは発達段階に応じ、いろんな形で性を認識し、関心を示すが、モラル的側面から家庭や学校は、性的行動をタブー視し、抑圧する傾向にある。しかし、そうした接し方は子どもに「性は恥ずかしいもの」と認識させ、将来成長しても性と向き合えなくしてしまう。露出など、社会的に認められていない行動はきちんと教える必要はあるが、“性”はありのままを話し合うべき窶狽ニし、異質さばかりが強調されがちな同性愛なども、歴史的宗教感などの中で築かれた価値観だと指摘した。