語り継ぐ‘濁流の子’プロジェクト 来年度から
三六災害の教訓伝える
1961年昭和36年に伊那谷を襲った三六災害の教訓を伝える「語り継ぐ濁流の子プロジェクト」が立ち上がり取り組みが始まります。 この取り組みは、土木や自然、暮らしにまつわる先人の足跡を後世に残す活動を行っている人と暮らしの伊那谷遺産プロジェクト選定委員会がコーディネートをつとめ飯田市にある天竜川総合学習館かわらんべ、天竜川上流河川事務所、信州大学附属図書館が連携し実施するものです。 3日は駒ヶ根市の天竜川上流河川事務所で記者会見が開かれ選定委員会委員長で信州大学副学長の笹本正治さんが概要について説明しました。 三六災害は1961年昭和36年6月の大雨による災害です。 6月1か月間の降水量を越える量の雨が1日で降り、河川の氾濫や土砂崩落がおこりました。 これにより多くの死傷者、行方不明者を出すなど大きな被害となりました。 この三六災害で被災した小中学生が当時の思いを綴った作文集が「濁流の子」です。 1964年昭和39年に発行されたこの本は選定委員会から伊那谷遺産に選ばれています。 「語り継ぐ濁流の子プロジェクト」ではこの作文集が災害の教訓伝承の象徴的なものだとして、その記憶と経験を伝え地域の防災力向上につなげる考えです。 具体的には災害に備えるための知恵や教訓などの情報を収集整理するほかそれらをデジタル化し記録、公開します。 またこれら取り組みにより地域の自助、共助の精神を醸成するとしています。 プロジェクトでは3つの実施主体が連携し取り組みを推進します。 天竜川総合学習館かわらんべは「語り継ぐ濁流の子文庫」を新たに整備し資料の収蔵を担当します。 天竜川上流河川事務所は収集整理した資料をデジタル化するデジタルアーカイブスを行います。 信州大学附属図書館は電子書庫語り継ぐ濁流の子アーカイブスを新たに整備し情報発信を行います。 このプロジェクトは平成26年度から平成30年度までの5年間を計画しています。